永遠の都と言われるエルサレムは、紀元前 1,000 年頃にダビデによってイスラエルの首都とされました。建都から 3,000 年の歴史を経ていることになります。このエルサレムが中東問題解決のひとつの足かせになっています。今はイスラム国 IS に世界の耳目が集まってイスラエル対アラブの中東問題は脇に追いやられている感がしますが、決して中東問題が解決したわけではありません。やがて IS の問題にめどが付けば再びパレスチナ問題がニュースに取り上げられるようになるでしょう。日本にとっては関係ないことのように思えますが、欧米にとっては大きな問題です。エルサレムにはかつてユダヤ教の神殿が築かれていました。ダビデの子ソロモンによる神殿が紀元前 950 年頃に建築されました。これはバビロン帝国のネブカデネザル王によって徹底的に破壊されます。そしてユダヤ人はバビロン捕囚の憂き目に遭いますが、ペルシャの王クロスによって故国への帰還と神殿再建を許可されます。この時の神殿が第二神殿と言われるもので紀元前 515 年頃のことです。しかしこの神殿も紀元 70 年にローマ帝国によって破壊されます。その後、流浪の民となったユダヤ人は世界に散らされますが、その間に紀元 700 年ころにイスラム教の岩のドームがユダヤ教の神殿跡に建てられ、現在に至っています。
ユダヤ人は 2,000 年の放浪の末にナチスの迫害が契機となって 1948 年に建国し独立を宣言しました。その時の首都はテルアビブでしたがユダヤ人にとってエルサレムは特別な場所です。数度の中東戦争の結果、エルサレムを支配下におきました。イスラエルはエルサレムを首都と主張していますが、国際的にはテルアビブが首都とされています。各国の大使館はみなテルアビブに置かれています（2016年現在）。今、神殿跡地にはイスラム教の岩のドームが建っています。
ユダヤ人たちはここに神殿を建てたいのです。しかし岩のドームを破壊しようものならアラブとイスラエルの戦争になることは火を見るよりも明らかです。誰にも解決不能な問題がエルサレムの帰属問題です。「見よ。わたしはエルサレムを、その回りのすべての国々の民をよろめかす杯とする。ユダについてもそうなる。エルサレムの包囲されるときに。その日、わたしはエルサレムを、すべての国々の民にとって重い石とする。すべてそれをかつぐ者は、ひどく傷を受ける。地のすべての国々は、それに向かって集まって来よう。」（旧約聖書の預言です） 何人もの人が手をつけて解決できなかったこのエルサレム問題を解決する人物が欧州から現れます。彼はエルサレム問題を見事に解決し（実際は欺瞞で 3 年半でその平和は崩壊します。）、そしてその魅力のゆえに独裁的な権力を握ります。
今のヨーロッパの政治的な混乱はまさに強力なリーダーシップを持った政治家の現れを待望するような状況です。これが近未来についての聖書の預言です。イスラエルは終末に向かう歴史の時計なのです。
＊＊＊ 札 幌 キ リ ス ト 聖 餐 教 会 ＊＊＊
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